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兵庫県立神戸高等学校

総合理学科 

課題研究

  分類:授業   発信日:2018年03月23日 Fri 


課題研究とは何か


 課題研究とは、「自然科学における広い視野と創造性」・「実践的コミュニケーション能力」・「社会性と倫理観」を総合的に育成するために、総合理学科2年生を対象にして実施している科目です。授業担当教師は理科分野6名、数学分野2名の計8名であり、40名の生徒が各担当教師のもと8班に分かれて1年間の研究活動を行います。


発表会で研究の質と人としての質を高める


 少人数の共同研究の質を高め、生徒の自然科学分野の能力を存分に引き出す活動が研究発表と質疑応答です。中間報告会でのポスター発表や課題研究発表会でのステージ発表の準備や練習によって、知識に加えてコミュニケーション能力や社会性、倫理観も養われます。


課題研究の現状


 研究活動は毎年活発になり、その精度も向上し、学会等で積極的に発表する班も毎年複数現れています。昨年からは、中間報告会や課題研究発表会に本校OBを中心に声をかけて研究者に参加していただき,有益な助言を得つつ課題研究を推進するようにしています。また、課題研究を前年に終えた3年生も、報告会では聞き手に回り、鋭い質問を後輩に浴びせています。
 総合理学科でしか得られない授業といえます。


課題研究のテーマ一覧


平成29年度(総合理学科)


 総合理学科10期生(71回生)が「課題研究」で取り組んだテーマは以下の通りです。
 • ドキッ!疑惑だらけの水素水
 • ボルボックスの個体群密度とライフサイクルについて
 • ヒト腎がん細胞に対する抗がん剤の併用効果
 • 植物精油の殺ダニ剤としての実用性評価と殺ダニのメカニズム探求
 • クリプトビオシスの利用
 • 物体の形状変化と抗力の相関性
 • セリシンの新規活用法の開発検討
 • 乳酸菌が植物に与える影響
 • ミナミヌマエビは生き残れるのか!-交雑実験と遺伝子解析-

平成28年度(総合理学科)


 総合理学科9期生(70回生)が「課題研究」で取り組んだテーマは以下の通りです。
 • 防波堤の研究
 • ファインバブルがウキクサに与える影響
 • 効率の良いうちわの形状
 • フラクタルによる表面粗さの定量化と放射率の関係
 • みかん栄養成分と乳酸菌
 • メダカの学習行動-色を見分けて覚えられるのか-
 • 発光バクテリアが好む栄養源とは
 • 大気汚染と地衣類の抗菌成分の含有量の関係

平成27年度(総合理学科)


 総合理学科8期生(69回生)が「課題研究」で取り組んだテーマは以下の通りです。
 • 地衣類に含まれる抗生物質の同定
 • LEDを用いた細胞性粘菌の走光性
 • プラナリアの記憶はどこにあるのか?  - 切断・再生を通して考察 -
    この研究は平成28年度SSH研究発表会(全国大会)で
     科学技術振興機構理事表彰(第2位)
を受賞
 • 植物の成長と音  - カイワレ大根の成長に音が与える影響 -
 • クロレラの脂質生産と光環境条件
 • 太陽系外惑星TrES-2bのtransit観測  - 軌道傾斜角決定の試み -
 • メトロノームの同期現象  - Synchronization of Metronome -
 • 立方体投影の世界地図

平成26年度(総合理学科)


 総合理学科7期生(68回生)が「課題研究」で取り組んだテーマは以下の通りです。
 • カワムツの食性を多角的に考察する
 • 学習に最適な色とは?  ~英単語の暗記で悩むすべての高校生たちへ~ 
 • 茹で時間によるビタミンCの量的変化
 • 「破壊の科学(Distribution of Fractal)」
    ~自然数の分割とシミュレーションによる考察~
 • 土砂災害モデルの製作  ~森林は土砂災害を防止しうるか否か~
 • 発信器の配列による指向性スピーカーの性能
 • 歪像画の射影変換  ~円柱アナモルフォーズについて~
 • 野菜や植物でカビの繁殖を抑制
 • 地衣類から新抗生物質を見つける
 • マイマイ(柄眼目)の分類にはどの遺伝子領域が有効か?
    ~神戸を模式産地とする3種を中心とした分子系統樹の作成~

平成25年度(総合理学科)


 総合理学科6期生が「課題研究」で取り組んだテーマは以下の通りです。
 • 日常生活における対立と協調 ~ ゲーム理論に基づいて ~
 • 防波堤の構造の違いによる消波実験
 • 糖の塩基反応について
    ~ 異性化による希少糖の生成法の模索と生成された物質の解析 ~
 • 自作風洞実験器を用いた空気の流れの可視化
    ~ 紙飛行機の形状と空気の流れ ~
 • 15デオキシ-Δ12,14-プロスタグランジンJ2はトポイソメラーゼⅡ阻害剤の抗癌作用を亢進する
 • 肺がんと喫煙の関係
 • 土壌動物と環境
 • 神戸市近辺に生息するハナダカダンゴムシのDNA解析

平成24年度(総合理学科)


 総合理学科5期生が「課題研究」で1年間取り組んだテーマは以下の通りです。
 • 神戸周辺に生息するマイマイ属ミトコンドリアDNAの系統解析
   ~未だ知られざるカタツムリの近縁関係を解明する~
 • 神戸市内におけるタンポポの生育実態に関する研究
   ~葉緑体および核ゲノムと外部形態からのアプローチ~
 • 放射線が免疫に及ぼす影響
   ~X線とマクロファ-ジの貪食作用~
 • ヒト腎がん細胞に対する抗がん剤の効果
   ~腎がん細胞はインビトロにおいても低感受性を示すか~
 • 日本列島はどのように折れ曲がったか
   ~フォッサマグナの観察とモデル化~
 • 数理モデルによる選択の科学 No.1
   ~冒険するという選択の必要性~
 • 数理モデルによる選択の科学 No.2
   ~周囲を考慮する必要性とその最適範囲~
 • 立ち上がり動作の動力学的分析
 • 自律型ロボットの制御プログラムの考察と検証

平成23年度(総合理学科)


 総合理学科4期生が「課題研究」で1年間取り組んだテーマは以下の通りです。
 • 超指向性スピーカーの検証と考察
 • 集合方程式と対称差定理についての一考察
 • 黄金比の性質の考察
 • 自然数、整数とベクトルの対応
 • 神戸市灘区及びポートアイランドにおけるタンポポの雑種化について
 • 色素増感太陽電池
  -エルダーベリー電池の測定中に起こる効率上昇とクロロフィル電池の有効性-
 • 成層火山の成長・崩壊・再生実験 ~ 磐梯山の観測とモデル化 ~
 • 兵庫県のメダカは遺伝子的脅威にさらされているか
    県内メダカの分布と遺伝子攪乱の現状について
 • 植物の成長と「音」

平成22年度(総合理学科)


 総合理学科3期生が「課題研究」で1年間取り組んだテーマは以下の通りです。
 • 兵庫県に生息するメダカは均一な集団か?
 • 糖から生成された褐色物質について ~ グルコース燃料電池の燃料液 ~
 • 兵庫県産ノジギクの地域間変異に関する総合的研究
 • 消波の研究 ~ 障害物の形状によって消波効果は変化するのか ~
 • ケータイで見る緊急時連絡システムの構築と運用実践
 • Excel VBA で口蹄疫に挑む! ~ 殺処分は本当に正しかったのか ~
 • 四国沖の海底で何がおきているか ~ 付加体のアナログ実験 ~
 • 金属の性質 ・・・ 立体周期表からみえたこと

平成21年度(総合理学科)


 総合理学科2期生が「課題研究」で1年間取り組んだテーマは以下の通りです。
 • 疑問を検証する -数学を利用した新しい暗号方式の研究-
 • 疑問を検証する -だまし絵の研究-
 • 数理生態学/感染症モデルの構築と数学的考察
 • 兵庫県に生息するメダカは均一な集団か?
 • 特定外来生物アルゼンチンアリの港島への侵入
    - 人類とアルゼンチンアリの果てしない戦い -
 • 単成火山のアナログ実験 ~笠山の観察とモデル化~
 • セルロースを用いたバイオエタノールの生成 -硫酸処理による変換効率の向上-
 • 天然色素を使用した色素増感型太陽電池の劣化に関する研究
    チタニア膜における色素の分解と光照射の関係について
 「数理生態学/感染症モデルの構築と数学的考察」は、平成22年度のSSH生徒発表において、最優秀賞である「文部大臣表彰」に輝く研究につながりました。

平成20年度(総合理学科)


 総合理学科1期生が「課題研究」で1年間取り組んだテーマは以下の通りです。
•セルオートマトン
 ◦一次元セルオートマトンの新クラス分類
 ◦二次元セルオートマトンの音楽転換
 ◦セルオートマトンによる渋滞のモデル化
•複雑系の科学 ◦チューリングパターンと動物の模様の関係
 ◦セルオートマトンを用いた雪崩現象に関する考察
 ◦人のつむぐ言葉とオルゴール
 ◦不可視なフラクタル
•Linuxサーバの構築とインターネットを経由した利用に関する研究
•定性的・定量的手法を用いた水波の研究
•波動の研究 特殊なドップラー効果の測定
•万有引力定数Gの測定
•空気中のCO2からダイヤモンドが合成できるか ~デンプン利用の可能性~
•ミドリゾウリムシとクロレラの細胞内共生
•DNA解析によるメダカの遺伝子多型の研究

平成19年度(総合理学コース)


 平成19年度に総合理学コース2年生が1年間取り組んだ「課題研究」のテーマは以下の通りです。
•3次、4次方程式から5次方程式へ
•粘菌の走性
•土壌細菌の単離とその性質
•アリの研究
•神高数学問題創作 ―Creation of mathematical problems―
•水蒸気蒸留によるクスノキの葉に含まれる樟脳の分離
•色素増感型太陽電池の研究 ―その発電効率を増大する条件について―
•波動の研究 ―場所による音の及ぼすエネルギー―
•外的な環境におけるミドリムシの反応
•吸着の研究

平成18年度(総合理学コース)


 平成18年度に総合理学コース2年生が1年間取り組んだ「課題研究」のテーマは以下の通りです。( )内はチームの人数です。
•部分モル体積の測定 (2人)
•組織培養を用いたマヤランの増殖 (4人)
•魚と環境 (5人)
•昆虫の体成分が細胞分裂に及ぼす影響について (3人)
•波動の研究 (5人)
•色素増感型太陽電池の研究 (6人)
•Linux によるネットワーク研究 (5人)
•あなたに潜むカオスとフラクタル (7人)
•πと多面体 (2人)
「あなたに潜むカオスとフラクタル」は、平成19年度に「ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ(JSEC2007)」で「横河電機賞」を受賞し、米国で開かれる国際学生科学・技術フェア「ISEF」にサイエンスリポーターとして派遣されるといった成果につながっています。

平成17年度(総合理学コース)


 平成17年度に総合理学コース2年生が1年間取り組んだ「課題研究」のテーマは以下の通りです。
•熱センサーの研究
•標本からわかること
•波動の研究
•フィボナッチ数列の研究
•色と光の研究
•気象衛星からの電波の受信
•円周率π(パイ)
•ケイ藻を指標生物とした神戸市内の河川水質調査
•食餌がアフリカツメガエルの幼生成長に及ぼす影響について

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